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総湯

そうゆ
名詞
1
標準
文例 · 用例
見附正面の総湯の門には、浅葱に、紺に、茶の旗が、納手拭のように立って、湯の中は祭礼かと思う人声の、女まじりの賑かさ。
泉鏡花 みさごの鮨 青空文庫
……他の旅館の庭の前、垣根などをぶらつきつつ、やがて総湯の前に近づいて、いま店をひらきかけて、屋台に鍋をかけようとする、夜なしの饂飩屋の前に来た。
泉鏡花 みさごの鮨 青空文庫
――ああ、その時お光のかぶったのは、小児の鳥打帽であったのに―― 黒い外套を来た湯女が、総湯の前で、殺された、刺された風説は、山中、片山津、粟津、大聖寺まで、電車で人とともに飛んでたちまち響いた。
泉鏡花 みさごの鮨 青空文庫
戸外の広場の一廓、総湯の前には、火の見の階子が、高く初冬の空を抽いて、そこに、うら枯れつつも、大樹の柳の、しっとりと静に枝垂れたのは、「火事なんかありません。
泉鏡花 小春の狐 青空文庫
さあ、こうなると、がッがあッと、昼夜に三度ずつ、峠の上まで湯気が渦まいて上ります、総湯の沸きます音が物凄うなりましたわ。
泉鏡花 わか紫 青空文庫