近付ける
ちかづける
動詞
標準
文例 · 用例
大塚警部も困惑した顔になって、サアベルの頭をヤケに押し廻したが、やがて私の顔とスレスレに赤い顔を近付けると、酒臭いにおいをプーンとさした。
— 夢野久作 『空を飛ぶパラソル』 青空文庫
……その導火線を差込んだ爆薬を右手に持ち換えて……左利きの奴も時々居るそうだが……片手に火を付けた巻線香を持ちながら、両方の切り口を唇に近付ける。
— 夢野久作 『爆弾太平記』 青空文庫
やはり穴の開く程、相手の顔を見返していたが、突然、その顔を近付けると、眼を丸くして声を落した。
— 夢野久作 『芝居狂冒険』 青空文庫
夫人が急に顔を近付けると、彼女のふくよかな乳房と真赤な襦袢との狭い隙間から、ムッと咽ぶような官能的な香気が、たち昇ってくるのだった。
— 海野十三 『振動魔』 青空文庫
それに俺等が献納した愛国号も百台ほどあるしサ、そこへもってきて、日本の軍人は強いぞ、天子様のいらっしゃるこの東京へなんぞ、一歩だって敵の飛行機を近付けるものか。
— 海野十三 『空襲葬送曲』 青空文庫
総檜の破風造り、青銅瓦の錆も物々しく、数百千種の薬草霊草から発する香気は、馥郁として音羽十町四方に匂ったと言われるくらい、幕府の御薬園の権威は大したもので、もとより岡っ引や御用聞などの近付ける場所ではありません。
— 金色の処女 『銭形平次捕物控』 青空文庫
幕府の御藥園の權威は大したもので、素より岡ツ引や御用聞などの近付ける場所ではありません。
— 金色の處女 『錢形平次捕物控』 青空文庫