股火
またび
名詞
標準
warming one's crotch by standing over a hibachi
文例 · 用例
股火鉢で五合とやらかそう。
— 泉鏡花 『夜行巡査』 青空文庫
そこの貧民小学校の教師をして農学校に通う学生の二三人が自炊している事務所を兼ねた一室に来ると、尋常四年を受持っている森村が一人だけ、こわれかかった椅子に腰をかけて、いつでも疲れているような痩せしょびれた小さな顔を上向き加減にして、股火鉢をしていた、干からびた唇を大事そうに結びながら。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
そのまん中には、薄暗い十燭の電燈がブラ下がっていたが、その下に据えられた大火鉢に近く、二人の男が長椅子を引き寄せてさし向いになりながら股火をしているのであった。
— 夢野久作 『復讐』 青空文庫
もう一時間近く、火鉢の前に大きくはだかつて、顏を眞赤にほてらせながら、股火をしてゐるものがある。
— 島木健作 『續生活の探求』 青空文庫
お二人さんお二階」 チョンチョンと下足札を鳴らすが、小屋は満員で、騒然としていて、顔役は、まがい猟虎の襟付外套で股火をし、南京豆の殼が処嫌わず散らかっているだけだ。
— 宮本百合子 『山峡新春』 青空文庫
縁の焦げた火鉢に、股火をして当っていたのが、不精らしく椅子を離れて、机の上に置いてあった角燈を持って、「そんならこっちへお出でなさい」と云って、先きに立った。
— 森鴎外 『青年』 青空文庫
女は瀬戸の火鉢を奥からかゝへて来て、富岡に股火鉢をすゝめてくれた。
— 林芙美子 『浮雲』 青空文庫
余が小使にみちびかれて職員室に入ると、外套を肩からかけて股火鉢をしていた女性がいたが、それが彼女であった。
— 坂口安吾 『中庸』 青空文庫
作例 · 標準
昔の人は冬になると、火鉢をまたいで股火にあたり、下半身を温めたという。
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冷え性の祖母は、よくこたつの中で股火のようにして暖を取っていた。
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股火は日本の古い風習だが、今では火鉢自体を見かけることが少なくなった。
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