辛気
しんき
名詞
標準
文例 · 用例
彼は、張宗昌と共に戦線をかけめぐったり、北京に赴いたり、何万元かの懸賞金が頸にブラさがっているその頸の番をしたりするほか、二人の娘を相手に辛気くさいカルタを取った。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
ちょうどそこへ夫人が引き返して来たのでしたが、席はわたくし一人を取巻いて二人の給仕女中が辛気臭そうに立っているのを見ますと、「おや」と言った後、夫人は「ちょいと/\」と女中を自分の方へ呼び付けました。
— 岡本かの子 『生々流転』 青空文庫
寄せてんか(仲間に入れてんかの意)」 と、頼んで仲間に入れて貰ったが、子供たちの名に馴染がなくて、うしろに居るのは誰とはよう当てず、「あんた、辛気くさいお子オやなア」 もう遊んでくれなかった。
— 織田作之助 『わが町』 青空文庫
よりによって順平のお母が産気づいて、例もは自転車に乗って来るべき産婆が雨降っているからとて傘さして高下駄はいてとぼとぼ辛気臭かった。
— 織田作之助 『放浪』 青空文庫
よりによって順平のお母が産気づいて、例もは自転車に乗って来るべき産婆が雨降っているからとて傘さして高下駄はいてとぼ/\と辛気臭かった。
— 織田作之助 『放浪』 青空文庫
」 と、頼んで仲間に入れて貰ったが、子供たちの名に馴染みがなくて、うしろにいるのは誰とはよう当てず、「あんた、辛気くさいお子オやなア。
— 織田作之助 『わが町』 青空文庫
円い感触にどきんとして、驚いて汗ばんだ手を引き込めようとしたが、マダムは離さずぎゅっと押えていたが、何思ったか急に、「ああ辛気臭ア」と私の人さし指をキリキリと噛みはじめた。
— 織田作之助 『世相』 青空文庫
テーマの設定がやたら辛気臭いのは、結果を聞いてやけくそになっていたためだ。
— 富田倫生 『青空のリスタート』 青空文庫