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折り節

おりふし
副詞名詞
1
標準
occasionally
文例 · 用例
先づ歌を詠まん人は、事に触れて情けを先として、物のあはれを知り、常に心を澄まして、花の散り木の葉の落つるをも露しぐれ色変る折り節をも、眼にも心にもとどめて歌の風情を立居につけて心にかくべきにてぞ候らん。
風巻景次郎 中世の文学伝統 青空文庫
青年の前に座を取っていた四十三四の脂ぎった商人|体の男は、あたふたと立ち上がって自分の後ろのシェードをおろして、おりふし横ざしに葉子に照りつける朝の光線をさえぎった。
有島武郎 或る女 青空文庫
枯れた蔓にぶら下って、秋を観じている小瓢箪の実が、いつのまにか内部に脱け落ちて、おりふしの風にからからと音を立てながらも、取り出すすべのないのも、秋のもどかしさである。
薄田泣菫 艸木虫魚 青空文庫
鳥は一ト声も音を聞かせず、皆どこにか隠れて窃まりかえッていたが、ただおりふしに人をさみした白頭翁の声のみが、故鈴でも鳴らすごとくに、響きわたッた。
イワン・ツルゲーネフ Ivan Turgenev あいびき 青空文庫
おりふし、七厘に懸けてあった鉄瓶の湯が沸騰して、灰神楽をあげる。
佐々木喜善 東奥異聞 青空文庫
こうした交際でおりふしの風物について書きかわす相手としては満足を与える女性であったから、宿縁のために他と結婚するようなことが女王にあっては遺憾を覚えるであろう、自分の存在している以上は断じてそれはさせたくないというふうに思っていた。
椎が本 源氏物語 青空文庫
」 こんなことがおりふしあった。
小栗風葉 世間師 青空文庫
つまり、艇長の遺骸を、海の武人らしく、母なる海底に送ったのではないか――というような、妄想めいた観念がおりふし泛び上がってきて、儂を夢の間にも揺すり苦しめるのでした」 老人はそこで言葉をきり、吐息を悩ましげに洩らした。
小栗虫太郎 潜航艇「鷹の城」 青空文庫