転宗
てんしゅう
名詞
標準
文例 · 用例
その証拠にはセヴィゴラのナッケという尼僧だが、その女は宗教裁判の苛酷な審問の後で、転宗よりも、還俗を望んだというのだからね」と云ってクルリと向きを変え、再び正視の姿勢に戻って云った。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
弥次郎の縁者知己はその転宗を怪しまず、遠く海外を遍歴した勇気を賞讃。
— ――ヨワン・シローテの殉教―― 『イノチガケ』 青空文庫
仏僧の切支丹転宗は相継いでかなりあつたが、その者は禅僧であつたといふ。
— ――ヨワン・シローテの殉教―― 『イノチガケ』 青空文庫
加藤清正は領内の切支丹に改宗を命じて、法華経頂戴の誓をなさしめ、転宗を拒絶したヨハネ南五郎左衛門とシモン竹田五兵衛は斬首。
— ――ヨワン・シローテの殉教―― 『イノチガケ』 青空文庫
大久保忠隣は二月二十五日(慶長十九年一月十七日)に京都に着き、翌日から会堂の焼却・破壊、信者の捕縛、転宗の強要などを始めた。
— 日本の悲劇 『鎖国』 青空文庫
棄教転宗を肯んじないものは、俵に入れてころべころべと囃しながら転がして歩いた。
— 日本の悲劇 『鎖国』 青空文庫
転宗すると、幕府の同心になり、この山屋敷のお長屋に住んで二十人|扶持をうけ、大小チョン髷、名も二官と名乗って、すっかり日本に帰化しています。
— 吉川英治 『江戸三国志』 青空文庫
しかしさらにいっそう残酷な拷問、――温泉嶽の沸騰する熱湯の中に逆吊りに浸された時、彼はついに夢中で転宗を叫んだのであった。
— ――一名南蛮鋳物師の死―― 『青銅の基督』 青空文庫