浴衣姿
ゆかたすがた
名詞
標準
文例 · 用例
園内の渓谷に渡した釣り橋を渡って行くとき向こうから来た浴衣姿の青年の片手にさげていたのも、どうもやはり「千曲川のスケッチ」らしい。
— 寺田寅彦 『あひると猿』 青空文庫
ことにありあり思い出されるのは同じ縁側に黙って腰をかけていた、当時はまだうら若い浴衣姿の、今はとくの昔になき妻の事どもである。
— 寺田寅彦 『庭の追憶』 青空文庫
まだ仕事着に着替へぬ、よれよれの浴衣姿の石岡のお上さんは、うさん臭さうな顏をして駿介を見た。
— 島木健作 『生活の探求』 青空文庫
」 お増は、お今などに世話をしてもらった風呂から上ると、ばさばさした浴衣姿で、縁側の岐阜提灯の灯影に、団扇づかいをしながらせいせいしたような顔をしていた。
— 徳田秋声 『爛』 青空文庫
町には電気がついて、避暑客の浴衣姿が涼しげに見えた。
— 徳田秋聲 『或売笑婦の話』 青空文庫
彼は其處におつぎの浴衣姿が凝然として居るのを見て筵から離れることは仕なかつた。
— 長塚節 『土』 青空文庫
閾に近いランプの光が浴衣姿の女を美しく見せた。
— 長塚節 『隣室の客』 青空文庫
風呂からあがつて、座敷へ戻つて行くと、くみ子も、別な風呂へ案内されたのか、浴衣姿で、鏡臺の前に坐つてゐた。
— 林芙美子 『多摩川』 青空文庫