本々
本々
名詞
標準
文例 · 用例
それを見る人はその枝の一本々々をしみ/″\と撫でゝやりたくなるだらう。
— 有島武郎 『春』 青空文庫
谷の中が、黄な臭いやうに、ボーッと明るくなつたとおもふと、高い空を浮ぶ雲が、夕日を受けて、鈍い朱に染まつた、蜩が、時間を一秒一秒刻み込んで、谷の中へ追ひ込んでゆくやうに、キ、キ、キと啼き落す、杉林の一本々々の樹が、どちらから寄るともなく、塊まつて、黒い法師のやうになつて、囁き合つてゐる。
— 小島烏水 『天竜川』 青空文庫
駿介は、植ゑた煙草の本數は一本々々調べられ、葉一枚もおろそかに出來ぬことは、實際にその場に臨んで知つてゐながら、耕作段別そのものは、こつちの考へ一つで擴げることも狹くすることも、自由であるかに考へてゐた。
— 島木健作 『生活の探求』 青空文庫
まっさおい水の上に、艇をポオンと置いてから、約|一月ぶりに、シャッシャッと漕ぎだすと、一本々々のオォルに水が青い油のように、ネットリ搦みついて、スプラッシュなどしようと思っても、出来ないあんばい。
— 田中英光 『オリンポスの果実』 青空文庫
まっさおい水の上に、艇をポオンと置いてから、約一月ぶりに、シャッシャッと漕ぎだすと、一本々々のオォルに水が青い油のように、ネットリ搦みついて、スプラッシュなどしようと思っても、出来ないあんばい。
— 田中英光 『オリンポスの果実』 青空文庫
一本々々見ると、みんな同じように金色に光っているのですが、三本一しょにならべると、女の顔を画いた一まいの画になるのでした。
— 鈴木三重吉 『黄金鳥』 青空文庫
日本々國ノ一部トシテノ平等、日本人トシテノ自由ヲ對鮮策ノ眼目トナス。
— 北一輝 『日本改造法案大綱』 青空文庫
故ニ日本々國ニ於テ先ヅ此ノ三大原則ヲ確立シテ擴張セラレタル領土ニ臨ムトキ、眞ノ公平無私ハ自ラニシテ得ベシ。
— 北一輝 『日本改造法案大綱』 青空文庫