火煙
かえん
名詞
標準
文例 · 用例
寄手はそこで石火矢を放ったから、城内は火煙に包まれて、老弱の叫声は惨憺たるものである。
— 菊池寛 『島原の乱』 青空文庫
その士陣|佐左衛門は、火煙をくぐって石塁中に入って見ると、一少年の創を受けて臥床するのを発見した。
— 菊池寛 『島原の乱』 青空文庫
土煙と火煙を吹いた。
— 夢野久作 『東京人の堕落時代』 青空文庫
彼の土煙と火煙は、彼女等の頭の中のこうした城廓を、かなり烈しく打ち壊した。
— 夢野久作 『東京人の堕落時代』 青空文庫
一時は全滅と傳へられたこの町が、震災當時の火煙につゝまれた光景も思ひやられる。
— 島崎藤村 『山陰土産』 青空文庫
お駒ちゃんは、じぶんが死にそうになるので、磯五のかたわらを離れて小屋のそとへはい出したのだが、お駒ちゃんが最後に見たものは、おしんとお美代にがっしとおさえられて、火煙の中から柱のように首を伸ばしてもがいている磯五の顔であった。
— 林不忘 『巷説享保図絵』 青空文庫
火柱も閃光も、ともに消え去ったが、あちらこちらから、濛々たる火煙が起った。
— 海野十三 『二、〇〇〇年戦争』 青空文庫
その声は、火煙のために嗄がれてはいたが……。
— 蘭郁二郎 『鱗粉』 青空文庫