済生
さいせい
名詞
標準
文例 · 用例
おりから町の子供相手の紙芝居に出かける支度中の長藤君は古谷氏の話を聞いて狂喜しさっそくこの旨を既報“人生紙芝居”のワキ役、済生会大阪府支部主事田所勝弥氏(四八)、東成禁酒会宣伝隊長谷口直太郎氏(三八)に報告、一同打ち揃って前記古谷氏宅に秋山君を訪れ、ここに四年ぶりの対面が行われた。
— 織田作之助 『アド・バルーン』 青空文庫
彼はその宣言の中に人々間の精神交渉(それを彼はやさしいなつかしさをもって望見している)を根柢的に打ち崩したものは実にブルジョア文化を醸成した資本主義の経済生活だと断言している。
— 有島武郎 『想片』 青空文庫
そしてかかる経済生活を打却することによってのみ、正しい文化すなわち人間の交渉が精神的に成り立ちうる世界を成就するだろうことを予想しているように見える。
— 有島武郎 『想片』 青空文庫
ところが資本主義の経済生活は、漸次に種子をその土壌から切り放すような傾向を馴致した。
— 有島武郎 『想片』 青空文庫
それから医者になるつもりで湯島の済生学舎にはいった。
— 岡本綺堂 『月の夜がたり』 青空文庫
そのころの済生学舎は実に盛んなもので、あの学校を卒業して今日開業している医者は全国で幾万にのぼるとかいうことだが、あのなかには放蕩者も随分いて、よし原で心中する若い男には済生学舎の学生という名をしばしば見た。
— 岡本綺堂 『月の夜がたり』 青空文庫
幕政中年々莫大の金を外国へ渡して買うた薬品は、済生上やむをえぬ事と言うたものの、その大部分は、当時永続の太平に慣れて放逸縦行した無数の人間が、補腎健春の妙薬としてしきりに黄白を希覯の曖昧品に投じたのである。
— 馬に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
が、之まで較やもすると浮浪人扱いされた文人の収入を税源にしようというは、済生会の寄付金を勧誘されたような気がして名誉に感じるが、芸術税というは世界に比類なき珍税として公衆の興味を湧かすに足りる。
— 内田魯庵 『駆逐されんとする文人』 青空文庫