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房々

房々
名詞
1
標準
文例 · 用例
毛並の房々とした野犬と、乞食が、舌なめずりをしながら、愉快げに、野犬は尾を振り立てて屍体の間をうろ/\していた。
黒島傳治 武装せる市街 青空文庫
毛の房々しい帽子をぬいで手のひらで額の汗を拭いていた。
黒島傳治 氷河 青空文庫
吐き出す呼気が凍って、防寒帽の房々した毛に、それが霜のようにかたまりついた。
黒島伝治 渦巻ける烏の群 青空文庫
それは黒い背筋の上に薄いレモン色の房々とした毛束を四つも着け、その両脇に走る美しい橙紅色の線が頭の端では燃えるような朱の色をして、そこから真黒な長い毛が突き出している。
寺田寅彦 蜂が団子をこしらえる話 青空文庫
柳のように房々活けてありましょう、ちゃんと流儀があるじゃありませんか。
泉鏡花 婦系図 青空文庫
頭髪の房々とあるのが、美しい水晶のような目を、こう、俯目ながら清しゅう※って、列を一人一人|見遁すまいとするようだっけ。
泉鏡花 朱日記 青空文庫
(縁側の真中の――あの柱に、凭懸ったのは太田(西洋画家)さんですがね、横顔を御覧なさい、頬がげっそりして面長で、心持、目許、ね、第一、髪が房々と真黒に、生際が濃く……灯の映る加減でしょう……どう見ても婦人でしょう。
泉鏡花 吉原新話 青空文庫
大女の、わけて櫛巻に無雑作に引束ねた黒髪の房々とした濡色と、色の白さは目覚しい。
泉鏡花 絵本の春 青空文庫