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黒方

くろぼう
名詞
1
標準
文例 · 用例
風がはげしく吹いて、御簾の中の薫香の落ち着いた黒方香の煙も仏前の名香のにおいもほのかに洩れてくるのである。
源氏物語 青空文庫
どれが第一の物とも決められない中にも斎院のお作りになった黒方香は心憎い静かな趣がすぐれていた。
梅が枝 源氏物語 青空文庫
大橋に至り、焼けていない目黒方面を見ると、灯火管制は完全であった。
海野十三 海野十三敗戦日記 青空文庫
が、何しろそう云うものらしくない世にもかぐわしい匂がするので、試みに木の端きれに突き刺して、鼻の先に持って来て見ると、あの黒方と云う薫物、―――沈と、丁子と、甲香と、白檀と、麝香とを煉り合わせて作った香の匂にそっくりなのであった。
谷崎潤一郎 少将滋幹の母 青空文庫