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戚々

せきせき
名詞
1
標準
文例 · 用例
貧即幸福と云っては矯激になるが、貧を厭うの念をさえ忘るれば即座に幸福であり得るものを、厭貧の念に駆られて悶々戚々の境を現じて居る者の甚だ多いのは、その人の為に痛惜に堪えぬことである。
幸田露伴 貧富幸不幸 青空文庫
それ以上の大病的なる富者は、既に富んでもなおその心は貧しくて、弥が上にも富を欲して、一生貧乏人と同様に戚々汲々として終る者もある。
幸田露伴 貧富幸不幸 青空文庫
己の敬愛せる荒尾譲介の窮して戚々たらず、天命を楽むと言ひしは、真に義の為に功名を擲ち、恩の為に富貴を顧ざりし故にあらずや。
尾崎紅葉 金色夜叉 青空文庫
孔子のいわゆる、「君子は坦にして蕩々たり、小人は長に戚々たり」 とはこの心をいうならん。
新渡戸稲造 自警録 青空文庫
又其初疾より以て命終に迄るまで、意氣精爽、平日に異ならず、賓客を顧瞻して、談論風發せしを見て、必ずしも此間に戚々たるものに非らざりしを知る。
狩野直喜 祭原教授文 青空文庫
八三 善士は一切を棄て、欲を貪らず、愁嘆せず、樂に會うても又苦に會うても汲々たらず又戚々たらず。
荻原雲來訳註 法句經 青空文庫