衣被ぎ
きぬかつぎ
名詞
標準
文例 · 用例
何も歯に衣被せずにボキボキと物を言うのが信という訳でも無い、そう云うことは気質の粗い人には訳無く出来ることだが、それは不信では無いとしても信とは云えない。
— 幸田露伴 『一貫章義(現代訳)』 青空文庫
その香の高い中へ、衣服にたきしめる衣被香も混じって薫るのが感じよく思われた。
— 初音 『源氏物語』 青空文庫
又あるときは頭よりただ一枚と思わるる真白の上衣被りて、眼口も手足も確と分ちかねたるが、けたたましげに鉦打ち鳴らして過ぎるも見ゆる。
— 夏目漱石 『薤露行』 青空文庫
自分は芥川の長所は充分に認めた上でのことなのだし、また芸術上の友達と云ふものは歯に衣被せず感じたことを云ひ合つて切磋琢磨することは当然のことだと考へるので、忌憚なくどん/\と何でも云つて除けると云ふ風があつた。
— 佐藤春夫 『芥川龍之介を憶ふ』 青空文庫