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扇ぐ

あおぐ
動詞
1
標準
文例 · 用例
兵隊たちはよろこんで、粉をふつてはばたばた扇ぐ
宮沢賢治 北守将軍と三人兄弟の医者 青空文庫
彼はもう一度ああと短い吐息をつくと、今度は低い迫った調子で、「ああ、僕苦しいなあ――僕苦しいなあ」 そう云いながら、彼は胸の上に載せている両手の指先を、細かく、扇ぐように動かした。
宮本百合子 伸子 青空文庫
戸が風にあふられる事にも言へば、団扇で音たてゝ扇ぐ場合にも使ふ。
折口信夫 方言 青空文庫
白雪天地に満ち四望銀世界の日において、春風百花を扇ぐの好時節はほとんど人の夢想せざりしところなりといえども、地球が地軸を転じ、その軌道を奔るや、端なくこの時節に来たらざるべからざるがごとく、わが世界の歴史も、日月の潮流とともについにこの意外なる境遇に来たらざるべからざるの命運となれり。
徳富蘇峰 将来の日本 青空文庫
彼が世界における生活は、猛風悪浪の生活なりき、彼が家庭における生活は、春風百花を扇ぐの生活なりき。
徳富蘇峰 吉田松陰 青空文庫
泥のままのと、一笊は、藍浅く、颯と青に洗上げたのを、ころころと三つばかり、お町が取って、七輪へ載せ、尉を払い、火箸であしらい、媚かしい端折のまま、懐紙で煽ぐのに、手巾で軽く髪の艶を庇ったので、ほんのりと珊瑚の透くのが、三杯目の硝子盃に透いて、あの、唇だか、その珊瑚だか、花だか、蕾だか、蕩然となる。
泉鏡花 古狢 青空文庫
障子を透かして、疊凡そ半疊ばかりの細長い七輪に、五つづゝ刺した眞白な串團子を、大福帳が權化した算盤の如くずらりと並べて、眞赤な火を、四角な團扇で、ばた/\ばた、手拍子を拍つて煽ぐ十五六の奴が、イヤ其の嬉しいほど、いけずな體は。
泉鏡太郎 松の葉 青空文庫
「へーい、」 と甲走つた聲を浴びせて、奴また團扇を、ばた/\、ばツと煽ぐ。
泉鏡太郎 松の葉 青空文庫
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