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菩提所

ぼだいしょ
名詞
1
標準
文例 · 用例
小幡が菩提所の淨圓寺は可なりに大きい寺であつた。
お文の魂 半七捕物帳 青空文庫
奥方には最愛の姫様があって、容貌も気質もすぐれて美しいお方であったが、その美しい姫様は明けて十七という今年の春、疱瘡神に呪われて菩提所の石の下へ送られてしまった。
奥女中 半七捕物帳 青空文庫
ついこの間も嬢さんが、深川の浄心寺、御菩提所へ、お墓まいりにおいでなさるのに、当世のがないもんですから、私の繻子張のをお持たせ申して、化けそうだといって、床屋の職人にお笑われなすった。
泉鏡花 式部小路 青空文庫
菩提所の――巽は既に詣ではしたが――其処ではない。
泉鏡花 浮舟 青空文庫
生残た妻子の愁傷は実に比喩を取るに言葉もなくばかり、「嗟矣幾程歎いても仕方がない」トいう口の下からツイ袖に置くは泪の露、漸くの事で空しき骸を菩提所へ送りて荼毘一片の烟と立上らせてしまう。
二葉亭四迷 浮雲 青空文庫
お島はその夜一夜は、むかし自分の拭掃除などをした浜屋の二階の一室に泊って、翌る日は、町のはずれにある菩提所へ墓まいりに行った。
徳田秋声 あらくれ 青空文庫
あてもなく廻り廻って、伊達家菩提所の瑞鳳寺前までいったとき、ふと気がつくと、たしかに自分の尾行者と覚しき若侍の影がちらりと目につきました。
仙台に現れた退屈男 旗本退屈男 第七話 青空文庫
近松寺に参拝した、巣林子に由緒あることはいふまでもない、その墓域がある、記念堂の計画もある、小笠原家の菩提所でもある、また曽呂利新左衛門が築造したといふ舞鶴園がある、こぢんまりとした気持のよいお庭だつた。
種田山頭火 行乞記 青空文庫