紙燭
しそく
名詞
標準
文例 · 用例
紙燭して廊下通るや五月雨 降り続く梅雨季節。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
そのため紙燭を持って、昼間廊下を通ったというのである。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
親父はさすがに老功で、後家の鐙を買合せて大きい利を得る、そんな甘い事があるものではないというところに勘を付けて、直に右左の調べに及ばなかったナと、紙燭をさし出して慾心の黒闇を破ったところは親父だけあったのである。
— 幸田露伴 『骨董』 青空文庫
親父は流石に老功で、後家の鐙を買合せて大きい利を得る、そんな甘い事が有るものでは無いといふところに勘を付けて、直に右左の調べに及ばなかつたナと、紙燭をさし出して慾心の黒闇を破つたところは親父だけあつたのである。
— 幸田露伴 『骨董』 青空文庫
ここに御灯りが厶ります」「……※」 差し出した紙燭の光りでちらりとその二人を見眺めた対馬守の声は、おどろきと意外に躍って飛んだ。
— 佐々木味津三 『老中の眼鏡』 青空文庫
こゝだらうと、いゝ加減に見当をつけて、御免/\と二返許り云ふと、奥から五十位な年寄が、古風な紙燭をつけて、出て来た。
— 夏目金之助 『坊っちやん』 青空文庫
ここだろうと、いい加減に見当をつけて、ご免ご免と二返ばかり云うと、奥から五十ぐらいな年寄が古風な紙燭をつけて、出て来た。
— 夏目漱石 『坊っちゃん』 青空文庫
彼女は紙燭をともして長い廊下を伝ってゆくと、紙燭の火は風もないのにふっと消えた。
— 岡本綺堂 『玉藻の前』 青空文庫