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名詞
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標準
文例 · 用例
は、凡兆のひとり舞台だなんていう人さえあるくらいだが、まさか、それほどでもあるまいけれど、猿に於いては凡兆の佳句が二つ三つ在るという事だけは、たしかなようである。
太宰治 天狗 青空文庫
の凡兆の句には一つの駄句もない、すべて佳句である、と言っている人もあるが、そんな事は無い。
太宰治 天狗 青空文庫
プウシュキンもとより論を待たず、芭蕉、トルストイ、ジッド、みんなすぐれたジャアナリスト、釣舟の中に在っては、われのみを着して船頭ならびに爾余の者とは自らかたち分明の心得わすれぬ八十歳ちかき青年、××翁の救われぬ臭癖見たか、けれども、あれでよいのだ。
――(生れて、すみません。) 二十世紀旗手 青空文庫
三 虫 八月のある日、空は鼠色に曇って雨気を帯びた風の涼しい昼過ぎであった。
寺田寅彦 小さな出来事 青空文庫
すると私のすぐ眼の前に突き出ている小枝に虫のぶら下がっているのが眼に付いた。
寺田寅彦 小さな出来事 青空文庫
よく見るとは主に紅葉の葉の切れはしや葉柄を綴り集めたものらしかったが、その中に一本図抜けて長い小枝が交じっていて、その先の方はの尾の尖端から下へ一|寸ほども突き出て不恰好に反りかえっていた。
寺田寅彦 小さな出来事 青空文庫
枝に取り付いている上端は眼に見えないほど小さい糸になっているので、風の吹く度にはさまざまに複雑な振子運動をし、また垂直な軸のまわりに廻転もしていた。
寺田寅彦 小さな出来事 青空文庫
虫自身は眠っているのか、あるいは死んでいるのか、ともかくもこの干からびたを透して中に隠れた生命の断片を想像するのは困難なように思われた。
寺田寅彦 小さな出来事 青空文庫