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銀緑

ぎんりょく
名詞
1
標準
文例 · 用例
いつしかに、暮るとしもなき※あかり、七月の夜の銀座となりぬれば静こころなく呼吸しつつ、柳のかげの銀緑の瓦斯の点りに汝もまた優になまめく、四輪車の馬の臭気のただよひに黄なる夕月もの甘き花※子の薫してふりもそそげば、病める児のこころもとなきハモニカも物語のなかに起りぬ。
北原白秋 東京景物詩及其他 青空文庫
はだか柳に銀緑の冬の瓦斯|点くしほらしさ、棚の硝子にふかぶかと白い毛物の春支度。
北原白秋 東京景物詩及其他 青空文庫
そうして黙々と肢や脚を揉んでいる卓上の銀緑の蒼蠅にこれはと目をしかめた。
北原白秋 フレップ・トリップ 青空文庫
彼なんかとは話もしないで、先輩ばかり相手にしているロシア女の、黒く太い植え睫毛や、緑色に深くとった眼のくまや、腋臭くさい肩から、むき出しになっている女の腕の、銀緑色の生毛などを、如何に少年らしい興奮を以て、彼は眺めたことであったろう。
中島敦 プウルの傍で 青空文庫
そこへふっさり幹を斜に空から後期印象派風の柳が豊富な葉を垂らし、快晴の午後二時頃人声もしないその小道を行くと、何と云おう――様々な緑、紅緑、黄緑、碧緑、優しい銀緑色の清純な馨ばしさ、重さ、燦めきが堆団となっていちどきに感覚へ溢れて来る。
宮本百合子 わが五月 青空文庫
鈍い、深い黒潮の上に月の差す所丈は銀緑に光るのである。
一九一九年(大正八年) 日記 青空文庫
大きな池の汀に銀緑色の樫の木が生えて居る。
一九二八年(昭和三年) 日記 青空文庫
上野や向島や御殿山の花もいつか散りそめ、程ちかき人形町界隈の糸柳めっきり銀緑に萌え始めてきた頃、やっと次郎吉は雑魚の魚まじりながらに、師匠の描いた絵草紙の下図へ絵の具を施すくらいのことはできるようになってきた。
正岡容 小説 圓朝 青空文庫