一人親
ひとりおや
名詞
標準
文例 · 用例
ただ一人親しく往来していた同窓の男が地方へ就職して行ってからは、別に新しい友も出来ぬ。
— 寺田寅彦 『まじょりか皿』 青空文庫
それに、やす子の話では、自分にたつた一人親切にしてくれる人があつてやす子をかばつてくれてはいるということですけれど、その方というのは私の事を疑つているのだそうです。
— 浜尾四郎 『殺人鬼』 青空文庫
君らは、早川辰吉の供述中四月二十日にやすに秋川邸の庭で会つた時、やすが辰吉に自分にたつた一人親切にしてくれる人があつて自分をかばつてくれるという言葉があつたのをはつきり思い出すだろう。
— 浜尾四郎 『殺人鬼』 青空文庫
今こそ私には私を人間社會に結びつけてくれるたつた一筋の紐だつてありはしない――一片の愛着も希望も私を人間のゐる處に呼んではくれない――私を見掛ける人は、誰一人親切も好意も私に持つてはくれないだらう。
— ブロンテイ 『ジエィン・エア』 青空文庫
兄の島三郎とは反對に、氣力も健康も溢れて居りますが、傳六とはなんの關係がある筈もなく、もう一人親類の娘といふお町は、日蔭の花のやうな二十二三の美しい女ですが、一年の半分は床の上に居る病弱で、現にこの一と月ばかりは、持病の癆咳が重くなつて、三度の食事も床の上に運ばせて居ります。
— 槍の折れ 『錢形平次捕物控』 青空文庫
兄の島三郎とは反対に、気力も健康も溢れておりますが、伝六とはなんの関係があるはずもなく、もう一人親類の娘というお町は、日蔭の花のような二十二三の美しい女ですが、一年の半分は床の上にいる病弱で、現にこの一と月ばかりは、持病の癆咳が重くなって、三度の食事も床の上に運ばせております。
— 槍の折れ 『銭形平次捕物控』 青空文庫
姫路を立退く時は、男の子を一人親類に預け、美しい後添えの女房をつれて江戸へ行ったということで」 ガラッ八の話はあまりに予想外です。
— 敵討果てて 『銭形平次捕物控』 青空文庫