懸引
懸引
名詞
標準
文例 · 用例
けれども彼はまだ懸引から抜け切ることが出来なかつた。
— 平出修 『瘢痕』 青空文庫
「いえ、もう、誰方樣も其處がお懸引でいらつしやります、へえ。
— 泉鏡太郎 『人參』 青空文庫
しかし明軍の戦の懸引は部隊部隊を以てして居る。
— 菊池寛 『碧蹄館の戦』 青空文庫
着衣の件、喫飯の件、談判の件、懸引の件、挨拶の件、雑話の件、すべて件と名のつくものは皆口から出る。
— 夏目漱石 『趣味の遺伝』 青空文庫
詐りもなければ懸引もない。
— 夏目漱石 『趣味の遺伝』 青空文庫
ナポレオンの様な此方面の天才ですら、夜打朝懸、軍さの懸引に興味は有つてゐたかも知れないが、たゞ戦ひたいから戦つたのだとは受け取れない。
— 夏目漱石 『点頭録』 青空文庫
お延にお延流の機略がある通り、彼には彼相当の懸引があるので、都合の悪いところを巧みに省略した、誰の耳にも真卒で合理的な説明がたやすく彼の口からお延の前に描き出された。
— 夏目漱石 『明暗』 青空文庫
百円で悪けりゃ御止しなさい」 相手は漸く懸引をやめた。
— 夏目漱石 『道草』 青空文庫