専恣
せんし
名詞
標準
文例 · 用例
薩長の専恣は、固より好むところではなかつたが、わが皇室が中心となつて、これからの日本は世界に乗り出してゆかねばならぬと信じてゐたことは、決して勤皇の有志と違ふものではなかつた。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫
昔時にありてはいまだ国民の統一なるものあらず、そのこれあるがごときはただ外観に過ぎずして、さらに実相を見れば一種族・一地方または一党与の専恣たることを免れざるなり。
— 陸羯南 『近時政論考』 青空文庫
すなわち法治主義の根本要求に適応するため官吏の専恣的行動を抑制するために制定されたものが法規である。
— 末弘厳太郎 『役人学三則』 青空文庫
元来、法治主義はあらかじめ法律を決めておいて役人の専恣を妨げ、これによって人民の自由を確保する目的でできた制度である。
— 末弘厳太郎 『役人の頭』 青空文庫
この時代に、多年、李太王の寵人であり、顧問であり、韓国の外交を一女子の身をもって引きずり廻していたフランス人ゾンタク夫人と、私は最初は大いに抗争して、その専恣を押えた。
— 蜷川新 『私の歩んだ道』 青空文庫
親王は憤怨あらせられ、父君に上書して、臣夙に武臣の專恣を憤つて、坊主であつたものが戎衣を被て、世のそしりを受け、而して、たゞ、君父のためにこの身を忘れた、朝廷の人は誰ひとり役に立つものはない、臣ひとり空拳を張つて強敵に抗したわけである。
— 嘉村礒多 『滑川畔にて』 青空文庫