純物質
じゅんぶっしつ
名詞
標準
文例 · 用例
純物質とは全く我々の経験のできない実在である、苟もこれについて何らかの経験のできうる者ならば、意識現象として我々の意識の上に現われ来る者でなければならぬ。
— 西田幾多郎 『善の研究』 青空文庫
然るに意識の事実として現われきたる者は尽く主観的であって、純客観的なる物質とはいわれない、純物質というのは何らの捕捉すべき積極的性質もない、単に空間時間運動という如き純数量的性質のみを有する者で、数学上の概念の如く全く抽象的概念にすぎないのである。
— 西田幾多郎 『善の研究』 青空文庫
また右の如く自然を純物質的に考えれば動物、植物、生物の区別もなく、凡て同一なる機械力の作用というの外なく、自然現象は何らの特殊なる性質および意義を有せぬものとなる。
— 西田幾多郎 『善の研究』 青空文庫
物理学者のいうような、すべて我々の個人の性を除去したる純物質という如き者は最も具体的事実に遠ざかりたる抽象的概念である。
— 西田幾多郎 『善の研究』 青空文庫
この故に原始的説明は神話においてのように凡て擬人的であったが、純知識の進むに従い益々一般的となり抽象的となり遂に純物質という如き概念を生ずるに至ったのである。
— 西田幾多郎 『善の研究』 青空文庫
物理学者の言ふやうなすべて我々の個人の性を除去したる純物質といふ如きものは、最も具体的事実に遠ざかりたる抽象的概念である。
— 倉田百三 『愛と認識との出発』 青空文庫
それでなくても、ちと先回りをし過ぎたのだから……ただ一つ付記しておくが、この仕事に付随する実際的な、純物質的な困難は、彼の頭脳の中でおおむね第二義的な役割しか勤めていなかった。
— フョードル・ミハイロヴィッチ・ドストエフスキー 『罪と罰』 青空文庫