見計らい
みはからい
名詞
標準
文例 · 用例
他の遊芸は知らずと謂う、三味線はその好きの道にて、時ありては爪弾の、忍ぶ恋路の音を立つれど、夫は学校の教授たる、職務上の遠慮ありとて、公に弾くことを禁じたれば、留守の間を見計らい、細棹の塵を払いて、慎ましげに音〆をなすのみ。
— 泉鏡花 『化銀杏』 青空文庫
これではならぬ、と御迎の使者相望めば、御機嫌を見計らいて侍女は慰むる。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
そう致しましたら何しろタッタ一人のお世継の事で御座いますから、伯爵様がキット若様をお探しになるに違いない、その御心配の潮時を見計らいまして、私がコチラへお伺い致しまして、万事のお話を拝聴致しまして、失礼では御座いますが御家の御為になりますように取計らいたいと存じた次第で御座いますがね。
— 夢野久作 『超人鬚野博士』 青空文庫
魚群の巨大さや深さによって咄嗟の間に見計らいを付けるのだからナカナカ難かしい。
— 夢野久作 『爆弾太平記』 青空文庫
これを筆にするも不祥ながら、億万一にも我日本国民が外敵に逢うて、時勢を見計らい手際好く自から解散するがごときあらば、これを何とか言わん。
— 瘠我慢の説 『瘠我慢の説』 青空文庫
このとおり泥を吐くから見ていな――すっかり衣裳をあらためて、初太郎宇之吉が姉の屍骸を見つけた頃合いを見計らい、眠呆けづらを装って二階へ上って行ったのよ。
— 宙に浮く屍骸 『釘抜藤吉捕物覚書』 青空文庫
そしてもういい時分だと頃を見計らい、上海に遊びに行きたいから、暇を呉れと言って家を出で、上海には来ないで知事の郷里に行き、知事のおやじに向って知事さんは今度|道尹になる。
— 国枝史郎 『さまよう町のさまよう家のさまよう人々』 青空文庫
城主のフィズルは、悧巧にほどを見計らい、王から、卑怯の譏を受けず、自分の生命も危くしない四日目にツスに逃れ去った。
— 宮本百合子 『古き小画』 青空文庫