感覚力
かんかくりょく
名詞
標準
文例 · 用例
(明治四十年十月二十七日『東京朝日新聞』) 二十七 蟻の知覚 蟻が温度の変化に対してどれだけの感覚力をもっているかという事を調べた人の説によると、大抵の蟻は摂氏の〇・五度くらいなわずかな変化でも識別するそうである。
— 寺田寅彦 『話の種』 青空文庫
しかしその感覚力は偶然に得たものではなく、その盲目の不便から生じる欠陥を補おうとする努力の結果が、その指頭の神経細胞の配布を緻密にしたのであって、換言すれば単にその感覚が鋭敏なだけではなく、解剖学上に於ける神経分布が細密となり、そして後に鋭敏な感覚力を持つに至ったのである。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
また、一事に熱注しますると、ほかの感覚力を減ずるということがございます。
— 井上円了 『妖怪談』 青空文庫
例えば、目に力を注げば耳の感覚は薄らぎ、耳に音声を聞き、いよいよ傾注すれば目に物を見ざるがごとく、その感覚力には分量のあるものでありまして、ものごとを忘れたときなぞに、手をくんで目を眠り、首をかたげて考えますと、考え出すことがあります。
— 井上円了 『妖怪談』 青空文庫
デモクリトスは、「神々と動物とは、人間よりもずっと完全な感覚力をもっている」と言った。
— ESSAIS DE MONTAIGNE 『モンテーニュ随想録』 青空文庫