父祖伝来
ふそでんらい
名詞名詞-の形容詞
標準
hereditary
文例 · 用例
今私の話した諸民族の様な運命を選ばねばならぬか、或いは之を切抜けて、諸君の子孫が此の父祖伝来の地で、諸君の記憶を讃えることが出来るようになるか、その最後の危機が迫っているのですぞ。
— 中島敦 『光と風と夢』 青空文庫
例えば、先週勤め先の学校で国漢の老教師が近作だという七言絶句を職員室の誰彼に朗読して聞かせていた時、父祖伝来の儒家に育った自分が冗談半分その韻をふんで咄嗟に酬いて見せた。
— 中島敦 『狼疾記』 青空文庫
子供の時に、盲目になった彼は、このささやかな父祖伝来の財産を、少年時代の思い出で、十重二十重に包んでいた。
— 平林初之輔 『二人の盲人』 青空文庫
あの怖ろしい風巻に怯える父祖伝来の血統が、村人一帯に流れてゐる故に、一名「吹雪病」と称ばれてゐるこの癲癇の一種に就いては村人は余り気にも掛けぬのであつた。
— 牧野信一 『鬼の門』 青空文庫
そもそも我々の父祖伝来の大和心というものは私が右に述べたような意味における余裕の精神に充ち満ちたものではなかつたか。
— 伊丹万作 『余裕のことなど』 青空文庫
そのため、父祖伝来猛牛の血を享けている若牛は、山野の寒暑に曝されて全く原始牛のような生活をしているうちに、すこしも牛という家畜の概念に適合しない、完全な野獣に還元してしまう。
— 血と砂の接吻 『踊る地平線』 青空文庫
この詩を瞥見すれば、抽斎はその貧に安んじて、自家の材能を父祖伝来の医業の上に施していたかとも思われよう。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
当時に至るまで政論を唱えたるものは主として東京にあり、かつ民間にありて政論に従事せしものはおもに旧幕臣または維新以来江戸に居留せし人々に係る、地方土着の士人に至りてはなお脾肉の疲せたるを慨嘆し、父祖伝来の戎器を貯蔵して時機を俟ちたる、これ当時一般の状態にあらずや。
— 陸羯南 『近時政論考』 青空文庫
作例 · 標準
この刀は、父祖伝来の家宝として大切にされてきた。
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彼は父祖伝来の土地を守り、農業を続けている。
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父祖伝来の知恵は、現代社会においても学ぶべき点が多い。
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