応感
おうかん
名詞
標準
文例 · 用例
庸三は若い記者の思いやりを、一応感謝はしたものの、擽ぐったくもあった。
— 徳田秋声 『仮装人物』 青空文庫
すでに一応感服したものだから、もうやめにするかと思うとやはり横から見たり、竪から見たりしている。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
さうして一応感服した後では、或は剃刀を使つた方が、もつとよく剃れはしなかつたらうかと尋ねたくなるだけである。
— 芥川龍之介 『西洋画のやうな日本画』 青空文庫
「ВОКСへ来るすべての外国人は、そういう点で一応感服するというわけか。
— 宮本百合子 『道標』 青空文庫
娘の留守に自棄酒を呷った金五郎が、夜中にフラフラとお六を殺したくならないものでもあるまい――と、こう万七親分は言うんだ」「なるほどね」 平次は一応感心するのです。
— 六軒長屋 『銭形平次捕物控』 青空文庫
まさか、その晩、自分が殺されるとは思わなかったろう」「ヘエ――、なある」 ガラッ八は一応感心しましたが、まだ、お倉を疑う気にはなれません。
— 歎きの菩薩 『銭形平次捕物控』 青空文庫
そして又元始天尊は虚皇の應號である、佛教で云へば應身である、で、洞神經には、妙象は形無し、應感は體有り、眞精の氣、化して姿容を成すと説いてある。
— 幸田露伴 『道教に就いて』 青空文庫
トルストイは藝術の定義を下して次のやうに云つた――「一應感じたる感情を自己の中に喚起して、これを自己の中に喚起したる後、運動や線や色彩や音響や、言語によつて表出される形象などによつて、他人も亦同樣の感情を感ずるやうにこの感情を再現すること――此處に藝術の活動が成立する。
— 阿部次郎 『三太郎の日記 第三』 青空文庫