馴合
馴合
名詞
標準
文例 · 用例
「何も文句なしじゃないか、坊主になるのは約束だと問答の中に、馴合の中人が段々|取持つような風をして、果ては坊主の代りに酒や鶏を買わして、一処に飲みながら又|冷かして、「お願いだ、もう一度行て呉れんか、又飲めるからとワイワイ云たのは随分乱暴だけれども、それが自から切諫になって居たこともあろう。
— 福翁自伝 『福翁自伝』 青空文庫
これは渋川の杢八と云う奴で、元より峰松と馴合って居りますから脱したので、車を林の陰に置き、先へ廻って忍んで居りましたがゴソ/″\と籔蔭から出て、突然お岩の髻を把って仰向に引摺り倒しました。
— 三遊亭圓朝 『霧陰伊香保湯煙』 青空文庫
そこにおいでの御中※は、町方にいてお糸といっていられた頃、馴合った踊の朋輩だった。
— 久生十蘭 『鈴木主水』 青空文庫
拗ねてみる、憎んでみる、愛さうとしてみる、とつまらなく苛々する、鋳型の中で馴合ひの芝居に疲れてゐるやうなものですわ。
— 坂口安吾 『狼園』 青空文庫
アドルフの作者と馴合ひの鋳型の中で人並みの感動だけは得やうとしたつて、スタール夫人は面白くも可笑しくもなかつたのぢやありませんの?
— 坂口安吾 『狼園』 青空文庫
主人を鐵砲で撃つたのも、お前達二人の馴合仕事に違ひあるまい。
— 花見の留守 『錢形平次捕物控』 青空文庫
お北坊には可哀想だが、放つて置くがいゝ」「だつて親分」「多分馴合ひの若いのが、親の許さない子を産んでよ、始末に困つて捨てたんだらう。
— 迷子札 『錢形平次捕物控』 青空文庫
――道具を打ち碎いた人間を人殺しと思ひ込んだのが俺達の最初の間違ひさ」「へエ――」「商人と馴合つてその僞物を主人に賣り込ませ、散々儲けたのは銀次だ。
— 茶碗割り 『錢形平次捕物控』 青空文庫