掛け回す
かけまわす
動詞
標準
文例 · 用例
すなわち「脳髄ソノモノ」が「脳髄ソノモノ」を追っかけまわすという……宇宙間最高の絶対的科学探偵小説なんだ。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
何しろ脳髄が脳髄を追っかけまわすという、絶対、最高度の探偵小説なんだからね。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
しかるに新聞社の写真班が、女幽霊をうつそうとして競争で追いかけまわす、放送局では女幽霊の呻り声を録音して、実況中継放送をしますなどといいだすものだから、女幽霊の妙な人気は日毎に高くなる。
— 海野十三 『四次元漂流』 青空文庫
コーヒーの棒は、まわりに白い湯気をからませながら、いじわるく三郎をおいかけまわすのであった。
— 海野十三 『大宇宙遠征隊』 青空文庫
唖の息子一人を持っていて、三十越して嫁もないその唖息子が金銭出納の帳簿をふりまわし、やがては鍬をふりあげて、株ですりつづける親父を追っかけまわすという有様を想ってぞっとしながら、不思議な力にひきつけられて、その悲惨な過程を一つあまさず目に入れたいような気も心のどこかに働くのである。
— 宮本百合子 『猫車』 青空文庫
食料貯蔵の地下室で泥亀でも追っかけまわすがせいぜいの多くの駄犬が、主人に内緒で森にでかけてその重たい四つ脚をひけらかし、古い狐の穴やヤマネズミの穴を無駄に嗅ぎまわった。
— WALDEN, OR LIFE IN THE WOODS 『森の生活――ウォールデン――』 青空文庫
求婚者はあたしを放ったらかして、夢中になって新しい主題を追いかけまわす。
— 久生十蘭 『だいこん』 青空文庫
追いかけまわすのは、そのせいなんだ……野菜を売りに出る行き帰りに、サト子さんの離屋に寄って、話しこんでいたことをごぞんじなかったのなら、威張ったような口は、きかないようになさい」 由良は、落ちこむようにソファに掛けた。
— 久生十蘭 『あなたも私も』 青空文庫