引き綿
ひきわた
名詞
標準
floss silk
文例 · 用例
石段は三階の、就中二ツ目の高く※しきには、何某と何某と、施主ありて手曳の針鉄ひきわたしこれあり、縋るとて、扇子の竹触れて、りん/\と鈴虫の微妙なるしらべ聞え候。
— 泉鏡花 『逗子より』 青空文庫
「それでは、岩竹先生のお身体を、心霊にひきわたします」 髭の会長は前にでて、女史に向って合掌し、なにか呪文のようなものをいって、えいっと声をかけると、椅子の中の女史は、うーんと呻って、身をうしろへそらせた。
— 海野十三 『ふしぎ国探検』 青空文庫
趣味もよく、学もある人だから、丁重にしな」 と、ソプラノ嬢をひきわたした。
— 坂口安吾 『ニューフェイス』 青空文庫
これから案内して、博士をお前たちに、ひきわたそう」「えっ、博士を渡してくれるか。
— 海野十三 『怪塔王』 青空文庫
この話を聞いていたマチアは、車の中から出て来て、びっこをひきひきわたしのそばに寄った。
— SANS FAMILLE 『家なき子』 青空文庫
そのうちにホールで余興がはじまり、おもだったひとも来つくしたようなので、脇間に集まっている女子部時代の仲間に知世子をひきわたし、安部はホールへつづく入側になった廊下のほうへ歩いて行った。
— 久生十蘭 『予言』 青空文庫
カーリーとバックはペローに下へつれてゆかれて、フランソアという顔の黒い大男にひきわたされた。
— THE CALL OF THE WILD 『荒野の呼び声』 青空文庫
彼はあらゆる雑用をひきうけて、それをみんなおれにひきわたして、自分はいつも机の上へつっ伏して眠っていた。
— 山本周五郎 『陽気な客』 青空文庫
作例 · 標準
昔ながらの製法で作られた引き綿を、真綿として布団に仕立てる。
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繭から丁寧に引き出された引き綿は、独特の光沢と柔らかさがある。
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彼女は引き綿を薄く伸ばして、着物の裏地に使う準備をした。
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