膚浅
ふせん
名詞
標準
文例 · 用例
榛軒は先づ桂川桂嶼と所見を同じうして、晩出蘭学者の飜訳書に由つて彼邦医方の一隅を窺ひ、膚浅粗漏を免れざるを刺つた。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
それは私の訳が卑俚なのとある近代劇協会々員の演出が膚浅なのとで、ファウストが荘重でなくなったと云うのである。
— 森鴎外 『訳本ファウストについて』 青空文庫
それかといってあまりにそういう方向にのみ走って、徒らに字句によって解釈し、その根柢に動いている生きものを掴まないというのも、膚浅な読書法といわなければならない。
— 西田幾多郎 『読書』 青空文庫
もつと膚浅な囚はれ方である。
— 芥川龍之介 『点心』 青空文庫
――批評家の方に就て云えば、瓦全した作品と玉砕した作品との区別がつかなくなる、膚浅な作品と深刻な作品との見分けがつかなくなる。
— 豊島与志雄 『ヒューメーンということに就て』 青空文庫
更に又久保田君の生活を見れば、――僕は久保田君の生活を知ること、最も膚浅なる一人ならん。
— 芥川龍之介 『久保田万太郎氏』 青空文庫
従って、その運動は前に挙げたような物質主義、功利主義、非人格主義の軽躁膚浅な行動に停滞しています。
— 与謝野晶子 『婦人指導者への抗議』 青空文庫
……わたしにいわせれば、畢竟それは「新しい浅草」の膚浅な「殉情主義」の発露に外ならない…… が、一方は衰えて一方はさかえた。
— 久保田万太郎 『雷門以北』 青空文庫