義絶
ぎぜつ
名詞動詞-サ変動詞-他動詞動詞-自動詞
標準
disownment
文例 · 用例
女も情を立てて帰らないから、両方とも、親から勘当になったんですね、親類義絶――つまるところ。
— 泉鏡花 『木の子説法』 青空文庫
するとその奥さんの素性がわからないというので、親類一統から義絶された揚げ句、京都におれなくなって、東京の中野に移転して来たものだった。
— 夢野久作 『あやかしの鼓』 青空文庫
自分は海辺の病院に収容せられ、故郷から親戚の者がひとり駈けつけ、さまざまの始末をしてくれて、そうして、くにの父をはじめ一家中が激怒しているから、これっきり生家とは義絶になるかも知れぬ、と自分に申し渡して帰りました。
— 太宰治 『人間失格』 青空文庫
七日、辛酉、相模次郎朝時主、女事に依りて御気色を蒙る、厳閤又義絶するの間、駿河国富士郡に下向す、彼の傾公は、去年京都より下向す、佐渡守親康の女なり、御台所の官女たり、而るに朝時好色に耽り、艶書を通ずと雖も、許容せざるに依り、去夜深更に及びて、潜かに彼局に到りて誘ひ出すの故なりと云々。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
廿九日、庚辰、霽、相模次郎朝時主、駿河国より参上す、将軍家の御気色並びに厳閤の義絶にて、彼国に籠居するの処、御用心の間、飛脚を以て之を召さると云々。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
私は彼と結婚するために、私の一族と義絶しました。
— THE YELLOW FACE 『黄色な顔』 青空文庫
されば渠が巨多の金銭を浪費して、父兄に義絶せられし後、今の情婦|某年紀三十、名を艶と謂うなる、豪商の寡婦に思われて、その家に入浸り、不義の快楽を貪りしが、一月こそ可けれ、二月こそ可けれ、三月四月に及びては、精神|※騰として常に酔るが如く、身躰も太く衰弱しつ、元気次第に消耗せり。
— 泉鏡花 『黒壁』 青空文庫
河野とS家とは、お互に義絶の通知をこそしないけれど、今では可なり烈しい確執を懐き合って居る間柄だった。
— 菊池寛 『神の如く弱し』 青空文庫