切なる
せつなる
連体詞
標準
eager
文例 · 用例
意味体験としての「いき」と、その概念的分析との間にかような乖離的関係が存するとすれば、「いき」の概念的分析は、意味体験としての「いき」の構造を外部より了得せしむる場合に、「いき」の存在の把握に適切なる位地と機会とを提供する以外の実際的価値をもち得ないであろう。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
ようやくと、「民さんのお墓に参りにきました」 切なる様は目に余ったと見え、四人とも口がきけなくなってしまった。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
元來自分は大の無性者にて思ひ立た旅行もなか/\實行しないのが今度といふ今度は友人や家族の切なる勸告でヤツと出掛けることになつたのである。
— 国木田独歩 『湯ヶ原ゆき』 青空文庫
元来この四楽章構成は決して偶然なものではなくて、ちょうど漢詩の起承転結などにも現われまた戯曲にも小説にも用いられる必然的な構成法であって特に連句のみに限られたことではないのであるが、しかしその構成要素の音楽的な点から見て連句の場合ほど適切なる比較を許すものは他にはないのである。
— 寺田寅彦 『連句雑俎』 青空文庫
もっともこのようなことは何も連句に限らず他の百般の事がらに通有ないわゆる「転機」の妙用に過ぎないので、われわれ人間の生涯の行路についても似よったことが言われるであろうが、そういう範疇の適切なる一例として見らるるという点に興味があるであろう。
— 寺田寅彦 『連句雑俎』 青空文庫
則ち今度の土地解放なるものが毫も小作人の現在組織の行詰まりより来る痛切なる自覚せる欲求に基づいて手放され獲得したる結果でなく、温情的に与へられたる土地であるのだから、彼等旧小作人は其の土地解放の精神を忠実に実行して漸次其の範囲を拡大して行く如き事は迚も難い様に思はれる。
— 有島武郎 『狩太農場の解放』 青空文庫
私は其の通りだと思ふ、迚も痛切なる自覚せる結果に依つて獲得したる制度なり習慣なり権利でなくては真に獲得者が之を我物として活用する事は不可能である。
— 有島武郎 『狩太農場の解放』 青空文庫
忠實に事へたる何某とかやいへりし近侍の武士、君を思ふことの切なるより、御身の健康を憂慮ひて、一時御前に罷出で、「君學問の道に寢食を忘れ給ふは、至極結構の儀にて、とやかく申上げむ言もなく候へども又た御心遣の術も候はでは、餘りに御氣の詰りて千金の御身にさはりとも相成らむ。
— 泉鏡太郎 『十萬石』 青空文庫
作例 · 標準
「一日も早い復興を願うのが、被災地から遠く離れた私たち全員の切なる願いです」と市長が述べた。
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病床の母は、生き別れた息子にもう一度会いたいという切なる思いを抱き続けている。
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平和な世界を実現してほしいという子供たちの切なる訴えが、国連の会議場で響き渡った。
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