閣上
かくじょう
名詞
標準
文例 · 用例
凌雲閣上人豆のごとしと思う我を上より見下ろして蛆のごとしと嘲りし者ありしや否や。
— 寺田寅彦 『半日ある記』 青空文庫
」 銅像が、城の天守と相対して以来、美術閣上の物干を、人は、物見と風説する。
— ――(前題――楊弓) 『ピストルの使い方』 青空文庫
長楽 宮中 雲気散じ、朝元 閣上 雨声収まる。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
小姓と家来をあわせて十余人の人間は、いずれも暗い天主閣の奥に封じ籠められてしまったらしく、一人も無事に戻って来て閣上の秘密を報告するものはなかった。
— 岡本綺堂 『小坂部姫』 青空文庫
壮大なる松本城天守閣上のパノラマ。
— 流転の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
その状況は天守閣上から斑を窺はれる。
— 長岡半太郎 『大阪といふところ』 青空文庫
當時雄は天祿閣で校書をして居たが、捕手が來たので、急遽の際、閣上から飛降りた爲め、怪我して幾んど死なんとした珍事がある。
— 狩野直喜 『楊雄と法言』 青空文庫
娘は姉に向ッて言うには,「このごろ江戸で名の高い馬琴という作者の書いた八犬伝という本を読みましたが、その本に出る人で……」とかの犬飼犬塚の両犬士が芳流閣上より転び落ちて、つい行徳へ流れついたことを話して、その犬士の流されたところもここらであろうかなどと話しているうち、船は向うの岸へ着いた。
— 矢崎嵯峨の舎 『初恋』 青空文庫