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宮入り

みやいり
名詞
1
標準
文例 · 用例
入道の宮は兵部卿の宮が、後宮入りを目的にして姫君を教育していられることを知っておいでになるのであったから、源氏と宮が不和になっている今日では、その姫君に源氏はどんな態度を取ろうとするのであろうと心苦しく思召した。
澪標 源氏物語 青空文庫
こんなふうに隙間もないふうに二人の女御が侍しているのであったから、兵部卿の宮は女王の後宮入りを実現させにくくて煩悶をしておいでになったが、帝が青年におなりになったなら、外戚の自分の娘を疎外あそばすことはなかろうとなお希望をつないでおいでになった。
絵合 源氏物語 青空文庫
さて秀郷を俵藤太という事、この人初め下野の田原てふ地に住み(あるいはいう大和の田原で生まる、またいう近江の田原を領せり)、藤原氏の太郎だった故、田原藤太といいしを、借字して俵と書くようになって、俵の字を解かんとて竜宮入りの譚を誰かが作り出したであろうと、馬琴が説いたは、まずは正鵠を得たものだろう。
田原藤太竜宮入りの話 十二支考 青空文庫
さて『和漢三才図会』の著者が、〈けだし竜宮竜女等の事、仏経および神書往々これを言う、更に論ずるに足らず〉と結んで居るが、一概に論ずるに足らずと斥けては学問にならぬ、仍ってこれから、秀郷の竜宮入りの譚の類話と、系統を調査せんに、まず瑣末な諸点から始めるとしよう。
田原藤太竜宮入りの話 十二支考 青空文庫
『氏郷記』に、少時間で早く物を煮得る鍋を、宝物に数えたり、秀郷の子孫に限り、陣中女房を召し仕わざる由を特書したので、件の竜宮入りの譚は、早鍋世に極めて罕に、また中古の欧州諸邦と等しく、わが邦でも、軍旅に婦女を伴れ行く風が存した時代に出来たと知らる。
田原藤太竜宮入りの話 十二支考 青空文庫
これでまず竜宮入り譚の瑣末な諸点を解いたつもりだ。
田原藤太竜宮入りの話 十二支考 青空文庫
本話の出処系統 上の三章で長たらしく竜の事を論じたは、それが分らぬ内は秀郷竜宮入りの話中の毎事毎項が分らぬからだ、竜の事はなかなか複雑でとても十分にこの誌上で悉し得ぬが、まず上の三章で勘弁を願うとしてこれからこの話の出処系統論に取り掛ろう。
田原藤太竜宮入りの話 十二支考 青空文庫
『五雑俎』九に竜が雷を起し、大蜈蚣の玉を取らんとて撃った話あり、その長一尺以上なるは能く飛ぶ、竜これを畏る故に常に雷に撃たるという、竜宮入りの譚に蜈蚣を竜の勁敵としたるもまことに由ありだ、西洋には蜈蚣蛇を殺すという事下に言うべし。
田原藤太竜宮入りの話 十二支考 青空文庫