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十目

じゅうもく
名詞
1
標準
all eyes
文例 · 用例
碁を打つ者は五|目勝った十目勝ったというその時の心持を楽んで勝とうと思って打つには相違ないが、彼一石我一石を下すその一石一石の間を楽む、イヤそのただ一石を下すその一石を下すのが楽しいのである。
幸田露伴 魔法修行者 青空文庫
十指の指差すところ、十目の見るところの、いかなる弁明も成立しない醜態を、君はまだ避けているようですね。
太宰治 トカトントン 青空文庫
イリコ五十目十五銭、ミヨウガ三十ばかり二銭、サケ三合二十四銭が今日の途中の買物だつた。
山口 行乞記 青空文庫
三人の客は途方に暮れ、無言で眼まぜして帰り仕度をはじめ、挨拶もそこそこに草履をつっかけて門口に出て、それから小声で囁き合い、三人の所持の金子全部、一歩金三十八、こまがね七十目ばかり取り集め、門口に捨てられてある小皿の上に積みかさね、足音を忍ばせて立ち去った。
太宰治 新釈諸国噺 青空文庫
これは十目の見るところ、百聞、万犬の実、その夜も、かれは、きゅっと口一文字かたく結んで、腕組みのまま長考一番、やおら御異見開陳、言われるには、――おまえは、楯に両面あることを忘れてはいけません。
太宰治 創生記 青空文庫
合点のゆかぬことだとは思ったが、怖ろしい人の云うことだから、言葉に従って春久は相手になると、十目ばかり互に石を下した時、よしよしもはや打つまい、と云って押し壊ってしまった。
幸田露伴 連環記 青空文庫
「お父さんやお母さんの位牌を、お寺へ立てたいから、それで集めております」 そして、昨年の秋になってお玉は常楽寺と云う寺へ両親の位牌を立て、祠堂料として銀七十目を収めたが、その残りの三十目は主人に預けてあった。
田中貢太郎 蠅供養 青空文庫
「あれの死んだのは、何時であったかな」と、九兵衛は考えて、「十一日か、……それで、そうすると、明日は四十九日じゃな」と、またすこし考えて、「よし明日は勘右衛門に頼んで我家から三十目足して、六十目にして、通西軒と瑞光寺とに三十目ずつ収めて、供養をしてやろう」 蠅はもう見えなくなっていた。
田中貢太郎 蠅供養 青空文庫