輳
輳
名詞
標準
文例 · 用例
煙草を始めるやうになつて、いくつもの主要な勞働が一時に輻輳して來る時もあるやうになつては、ことに、牛のゐない耕作といふものは考へられなかつた。
— 島木健作 『續生活の探求』 青空文庫
眞志屋文書を見るに及んで、わたくしは落胤問題と八百屋お七の事とが倶に島、其岳父、其夫の三人の上に輳り來るのに驚いた。
— 森鴎外 『壽阿彌の手紙』 青空文庫
ちょうど婆さんの御誂え通りに事件が輻輳したからたまらない」「それでも宇野の御嬢さんはまだ四谷にいるんだから心配せんでもよさそうなものだ」「それを心配するから迷信|婆々さ、あなたが御移りにならんと御嬢様の御病気がはやく御全快になりませんから是非この月|中に方角のいい所へ御転宅遊ばせと云う訳さ。
— 夏目漱石 『琴のそら音』 青空文庫
遠い所から風が音を輳めてくる。
— 夏目漱石 『虞美人草』 青空文庫
当時御物城の下に支那及び南洋の船の輻輳していたことはあのオモロを見てもわかる。
— 伊波普猷 『浦添考』 青空文庫
我日本の人民は此玉璧の明光に照らされて此中心に輻輳し、内に社會の秩序を維持して外に國權を皇張す可きものなり。
— 福沢諭吉 『帝室論』 青空文庫
一戦の後、太平洋上の敵機を撃滅せんとす」「よし、御苦労」 報告は俄然、輻輳して来たのだった。
— 海野十三 『空襲葬送曲』 青空文庫
それにもかかわらず、昨今はいくつかの事情が輻輳して、ますますその仕事と職業との分裂が強まって来ている。
— ――女も仕事をもて―― 『現実の道』 青空文庫