屈腰
屈腰
名詞
標準
文例 · 用例
しばらくすると、薄墨をもう一刷した、水田の際を、おっかな吃驚、といった形で、漁夫らが屈腰に引返した。
— 泉鏡花 『貝の穴に河童の居る事』 青空文庫
それ、うそうそとまた参った……一度|屈腰になって、静と火薬庫の方へ通抜けて、隣邸の冠木門を覗く梅ヶ枝の影に縋って留ると、件の出窓に、鼻の下を伸して立ったが、眉をくしゃくしゃと目を瞑って、首を振って、とぼとぼと引返して、さあらぬ垣越。
— 泉鏡花 『白金之絵図』 青空文庫
わしさ屈腰で、膝はだかって、面を突出す。
— 泉鏡花 『縷紅新草』 青空文庫
立上りはしないで、傘なりに少し屈腰になって、その白い手で、トンと敲いたと思うと、蘭燈といいますか、かさなり咲いた芍薬の花に、電燈を包んだような光明がさして、金襴の衾、錦の褥、珊瑚の枕、瑠璃の床、瑪瑙の柱、螺鈿の衣桁が燎爛と輝いた。
— 泉鏡花 『雪柳』 青空文庫
――六蔵は投遣りに振った笠を手許に引いて、屈腰に前を透かすと、つい目の前に船首が見える。
— 泉鏡花 『浮舟』 青空文庫