繹
繹
名詞
標準
文例 · 用例
それからして演繹し、彼等一流の運命開拓法を説くのである。
— 萩原朔太郎 『易者の哲理』 青空文庫
僕の一文から演繹された、川端康成氏の室生犀星論(朝日新聞)は適評だつた。
— 萩原朔太郎 『悲しき決鬪』 青空文庫
けれども彼のやうに一切を演繹することの出来る人は、ヒュマニティの実質を見失ひ易い恐れがある。
— 中原中也 『高橋新吉論』 青空文庫
西鶴の人間に関する観察帰納演繹の手法を例示するものとしてはまた『織留』中の「諸国の人を見しるは伊勢」に、取付虫の寿林、ふる狸の清春という二人の歌比丘尼が、通りがかりの旅客を一見しただけですぐにその郷国や職業を見抜く、シャーロック・ホールムス的の「穿ち」をも挙げておきたい。
— 寺田寅彦 『西鶴と科学』 青空文庫
ただこれだけの断片から彼の文化観を演繹するのは早計であろうが、少なくも彼が「石炭文明」の無条件な謳歌者でない事だけは想像される。
— 寺田寅彦 『アインシュタイン』 青空文庫
科学者が既知の方則を材料として演繹的にこのような実験を行って一つの新しい原理などを構成すると同様に、南画家はまた一種の実験を行ってそこに一つの新しい芸術的の世界を構成し現出せしめるのである。
— 寺田寅彦 『津田青楓君の画と南画の芸術的価値』 青空文庫
そうしてそれらの世襲知識を整理し帰納し演繹してこの国土に最も適した防災方法を案出し更にまたそれに改良を加えて最も完全なる耐風建築、耐風村落、耐風市街を建設していたのである。
— 寺田寅彦 『颱風雑俎』 青空文庫
続きて一団また一団、大蛇を籠に入れて荷う者と、馬に跨りて行く曲馬芝居の座頭とを先に立てて、さまざまの動物と異形の人類が、絡繹として森蔭に列を成せるその状は、げに百鬼夜行一幅の活図なり。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫