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御巡り

おまわり
名詞
1
標準
文例 · 用例
御巡りさんか夜番でも見えたものであろう」と大に泥棒の無謀を憫笑したがまた一人を捉らまえて「はいはい御寒う。
夏目漱石 吾輩は猫である 青空文庫
いまは、川越一太郎というとしとったお巡りさんが、老妻のキンさんと共に別荘に住んで留守番をしているのだが、僕の家のひとも、あまりやって来ないし、チョッピリ女史がお弟子やら友達やらを連れて時たまやって来ては利用しているだけで、ほとんど廃屋に近くなっているのだ。
太宰治 正義と微笑 青空文庫
そのころのこと、戸籍調べの四十に近い、痩せて小柄のお巡りが玄関で、帳簿の私の名前と、それから無精髯のばし放題の私の顔とを、つくづく見比べ、おや、あなたは……のお坊ちゃんじゃございませんか?
太宰治 黄金風景 青空文庫
そう言うお巡りのことばには、強い故郷の訛があったので、「そうです」私はふてぶてしく答えた。
太宰治 黄金風景 青空文庫
」 お巡りは痩せた顔にくるしいばかりにいっぱいの笑をたたえて、「やあ。
太宰治 黄金風景 青空文庫
「私も、いまは落ちぶれました」「とんでもない」お巡りは、なおも楽しげに笑いながら、「小説をお書きなさるんだったら、それはなかなか出世です」 私は苦笑した。
太宰治 黄金風景 青空文庫
「ところで」とお巡りは少し声をひくめ、「お慶がいつもあなたのお噂をしています」「おけい?
太宰治 黄金風景 青空文庫
「ええ、もう、どうやら」くったくなく、そうほがらかに答えて、お巡りはハンケチで額の汗をぬぐって、「かまいませんでしょうか。
太宰治 黄金風景 青空文庫