怡楽
いらく
名詞
標準
文例 · 用例
実際彼が家庭人か何うかは疑はしいので、今目の前に見る紳士のやうな怡楽は、感じてゐないのであつた。
— 徳田秋聲 『折鞄』 青空文庫
此声の如何に高かつたかは、自分が悠々たる追憶の怡楽の中から、俄かに振返つて、其児供の指す方を見たのでも解る。
— 石川啄木 『葬列』 青空文庫
職司の種類の中には、主につけるものにあらずして、その表面は極めて格好に且つ怡楽きものなるに似たれど、終りには、死を意味するものあり。
— 北村透谷 『主のつとめ』 青空文庫
おおよその人が老年になって、往事を無邪気に顧みて、ただそれなりに皺ばんだ口辺に微笑を湛え得るならば、それでも人生の静かな怡楽が感ぜられもし、またその境地で満足してもいられよう。
— ――黙子覚書―― 『夢は呼び交す』 青空文庫
此聲の如何に高かつたかは、自分が悠々たる追憶の怡樂の中から、俄かに振返つて、其兒供の指す方を見たのでも解る。
— 石川啄木 『葬列』 青空文庫
彼等は是の平和と安心と怡樂とを果して何處より得來りたる、富貴名利の外に人生の樂地を求め得たる彼等は幸なる哉。
— 高山樗牛 『美的生活を論ず』 青空文庫