雄雌
ゆうし
名詞
標準
文例 · 用例
御寮人さんはその一軒の低い軒先をはいるなり、実は女子衆に子供がちょっともなつかしまへんよってと、うまい口実を設けていもりの雄雌二匹を買った。
— 織田作之助 『大阪発見』 青空文庫
彼の大臣は家に帰りて、もし我が父の知ることもやと例の密室に至りてこの由を述べけるに、そは難渋きことにあらず、軟※にして細きものを蛇に近づけてその躁ぐを雄と知り、静かなるを雌と知るべしと教へければ、大臣は急に王宮に行きてこの旨をいひ出で、試しみるに果してその言の如く、雄雌紛るるかたもあらず。
— 幸田露伴 『印度の古話』 青空文庫
そここゝの樹の下に雄雌の鶏、土を浴びて静息として蹲踞つて居るのは、大方羽虫を振ふ為であらう。
— 島崎藤村 『破戒』 青空文庫
世間で一升|桝に雄雌|這入るのが好いとか、足が短くて羽を曳くのが好いとかいうのは、これは玩具で、いわば不具同様、こんなのは矮鶏であって、矮鶏ではない。
— 矮鶏のモデルを探したはなし 『幕末維新懐古談』 青空文庫
今、それをお目に掛けようといって、主人は書生に命じてその雄雌のチャボを私の前へ持って来させました。
— 矮鶏のモデルを探したはなし 『幕末維新懐古談』 青空文庫
それは無言の若い雄雌の野獣の闘争であった。
— 富田常雄 『刺青』 青空文庫
お冬さん……もう牡牝はいわんぞ。
— 泉鏡花 『雪柳』 青空文庫
宿に飼へる牡牝二匹の中の牡犬も來り加はれり。
— 大町桂月 『阿武隈川水源の仙境』 青空文庫