悪獣
あくじゅう
名詞
標準
文例 · 用例
しかし、若悪獣囲繞、利牙爪可怖も、※蛇及蝮蝎、気毒煙火燃も、薩陀彼処にましますぞや。
— 泉鏡花 『春昼』 青空文庫
夢現の貴女には、悪獣の体に見えましたでありましょう。
— 泉鏡花 『悪獣篇』 青空文庫
――――奇妙な夢を見た、それはまことにグロテスクな夢だつた、私の胸には悪獣が穴籠りしてゐるらしい。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
それがしは都にあって再び調伏をこころみ申す間、源平両家の武士のうちより然るべき者どもを東国へ下され、宗重に力をあわせて悪獣退治のおん計らい然るびょう存じまする」と、泰親は申し上げた。
— 岡本綺堂 『玉藻の前』 青空文庫
異国から飛び渡った金毛九尾の悪獣が藻という乙女のからだを仮りて、世に禍いをなそうとしたのを、師匠の泰親に祈り伏せられて、三浦と上総とに射留められたのである。
— 岡本綺堂 『玉藻の前』 青空文庫
猟師の習い悪獣の脂を脚に塗り畜生をして臭いを聞いで驚き走らしむるのだ。
— 虎に関する史話と伝説民俗 『十二支考』 青空文庫
その毛だらけなる熊の如き手首、種子島を握りたるまゝ、わが切尖にかゝりて板の間へ落ち転めけば、和尚悪獣の如き悲鳴を揚げ、方丈の方へ逃げ行かむとするに、彼の若衆、隔ての障子を物蔭より詰めやしたりけむ。
— 夢野久作 『白くれない』 青空文庫
その男は静々と――獲物を狙う悪獣のように、光明優婆塞へ近寄った。
— 国枝史郎 『神州纐纈城』 青空文庫