撤
撤
名詞
標準
文例 · 用例
その強い確信は、私のどんな弁駁でも、撤回させることができなかつた。
— 萩原朔太郎 『夏帽子』 青空文庫
僕はそれを恥ぢ自ら潔よく撤囘して好いのである。
— 萩原朔太郎 『室生犀星君の飛躍』 青空文庫
否、動物的といふ言語は撤囘しよう。
— 萩原朔太郎 『室生犀星に與ふ』 青空文庫
だがもうその言葉を、弟から撤回する術はない……私は何といつてよいか分らなかつた。
— 中原中也 『亡弟』 青空文庫
石・苔・偃松(白河内岳に登る記) 野営を撤して、濡れそうなものは油紙で包み、岩伝いに北を向いて、大籠山と後で名をつけた一峰に達した、三等三角測量標が立っている、霧が吹雨を浴びせかけて、顔向けも出来なかったが、白峰山脈で、初めての三角標に触れたのだから、ちょっと去りにくい気がした。
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
セキメーツは徹夜の決心を、自分のために撤回した。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
新しい男の看板は、この辺で、いさぎよく撤回しよう。
— 太宰治 『パンドラの匣』 青空文庫
」と、おとなしいお嫂さんも、さすがに我慢できなかったのでしょう、拝むようにして兄さんにたのんで、とにかくそれだけは撤回させてもらいましたが、兄さんのお写真なんかを眺めていたら、猿面冠者みたいな赤ちゃんが生れるに違いない。
— 太宰治 『雪の夜の話』 青空文庫