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朝々

朝々
名詞
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標準
文例 · 用例
四月も末近く、紫木蓮の花弁の居住いが何となくだらしがなくなると同時にはじめ目立たなかった青葉の方が次第に威勢がよくなって来るとその隣の赤椿の朝々の落花の数が多くなり、蘇枋の花房の枝の先に若葉がちょぼちょぼと散点して見え出す。
寺田寅彦 五月の唯物観 青空文庫
苫家、伏家に灯の影も漏れない夜はさこそ、朝々の煙も細くかの柳を手向けられた墓のごとき屋根の下には、子なき親、夫なき妻、乳のない嬰児、盲目の媼、継母、寄合身上で女ばかりで暮すなど、哀に果敢ない老若男女が、見る夢も覚めた思いも、大方この日が照る世の中のことではあるまい。
泉鏡花 葛飾砂子 青空文庫
それより起き慣れて、朝々座敷を掃ひ庭の塵を取り、身をまめに動かせば、朝飯も自らすゝみ、むかしの痞を忘れて無病の楽みを知りぬ。
幸田露伴 花のいろ/\ 青空文庫
江海は朝々に其の陽發快活の光景を示し、暮々に其の陰鬱凄凉の光景を示して居るのである。
幸田露伴 努力論 青空文庫
朝々の定まれる業なるべし、神主|禰宜ら十人ばかり皆|厳かに装束引きつくろいて祝詞をささぐ。
幸田露伴 知々夫紀行 青空文庫
江海は朝々にその明るく快活な光景を示し、暮々にその陰鬱で凄凉な光景を示しているのである。
幸田露伴 努力論(現代訳) 青空文庫
順吉が小學校に通ふやうになつては、荒い縞の、がはがはした小倉の袴の紐をしめてやる朝々のおちかの手には一種の感慨がこめられてゐた。
島木健作 第一義の道 青空文庫
お葉は寒い朝々を、母親と共に家が新らしくなると共に、見しらぬ浴場をめぐつて歩かねばならないのだらうかと、ふと感傷的な事を考へて、母親の顏を見ながら、この年老いた母親が、必ず自分より先に死ぬであらうといふことを思つて、胸が迫つたのである。
素木しづ子 三十三の死 青空文庫