瀉
しゃ
名詞
標準
文例 · 用例
沢瀉久孝博士をして「何デー」「何デー」「ナンデイ」「ナンデイ」「ナニヲ云ッテヤガルンデイ」、日の神の「日」という美しい言葉を持ちながら何を苦しんで「デー」などという紅毛の国のダミ言葉を使うのかと憤慨させるのも誠に道理がある。
— 九鬼周造 『外来語所感』 青空文庫
彼は、吐瀉しながら、転げまわりながら、顔中を汚物で隈取りながら叫んだ。
— 葉山嘉樹 『労働者の居ない船』 青空文庫
熱い汁が下腹へ、たらたらと染みた処から、一睡して目が覚めると、きやきや痛み出して、やがて吐くやら、瀉すやら、尾籠なお話だが七顛八倒。
— 泉鏡花 『薬草取』 青空文庫
死亡承諾書、私|儀永々|御恩顧の次第に有之候儘、御都合により、何時にても死亡|仕るべく候年月日フランドン畜舎内、ヨークシャイヤ、フランドン農学校長|殿 とこれだけのことだがね、」校長はもう云い出したので、一瀉千里にまくしかけた。
— 宮沢賢治 『フランドン農学校の豚』 青空文庫
眺め渡した処「御気に召した題」が一つも見つからぬので面倒臭くなって片っ端から一瀉千里に片付けてやる決心をする。
— 山中貞雄 『五題』 青空文庫
わたくしは心配性の逸作に向って、わたくしが父の死を見て心悸を亢進させ、実家の跡取りの弟の医学士から瀉血されたことも、それから通夜の三日間|静臥していたことも、逸作には話さなかった。
— 岡本かの子 『雛妓』 青空文庫
水色ちりめんのごりごりした地へもって来て、中身の肉体を圧倒するほど沢瀉とかんぜ水が墨と代赭の二色で屈強に描かれている。
— 岡本かの子 『雛妓』 青空文庫
中央の池泉は水が浅くなり、渚は壊れて自然の浅茅生となり、そこに河骨とか沢瀉とかいふ細身の沢の草花が混つてゐた。
— 岡本かの子 『夏の夜の夢』 青空文庫