伎楽
ぎがく
名詞
標準
gigaku (genre of masked drama-dance performance)
文例 · 用例
上記の夢を見てから一と月も後に博物館で伎楽舞楽能楽の面の展覧会があって見に行った。
— 寺田寅彦 『夢判断』 青空文庫
自分の顔がまるで知らない人の顔のように見えて来たり、眼が疲れて来る故か、じーっと見ているうちに醜悪な伎楽の腫れ面という面そっくりに見えて来たりする。
— 梶井基次郎 『泥濘』 青空文庫
子供が浪打際で寄せたり退いたりしている浪に追いつ追われつしながら遊ぶように、自分は鏡のなかの伎楽の面を恐れながらもそれと遊びたい興味に駆られた。
— 梶井基次郎 『泥濘』 青空文庫
そればかりではなく、現場には、この世にない香気が漂い、梵天の伎楽が聴こえ、黄金の散華が一面に散り敷かれているのです。
— 小栗虫太郎 『夢殿殺人事件』 青空文庫
いいえ、まったくその顔といったら、まず能にある悪尉ならば、その輪廓がまだまだ人並ですが、さあなんと云おうか、さしずめ古い伎楽面の中でも探したなら、あのこの上ない醜さに、滑稽をかねたものがあると思いますわ。
— 小栗虫太郎 『白蟻』 青空文庫
よい加減な処まで進むと、もう伎楽の面などが前方に立ち塞つて居て、先は唯、異郷からの借り物らしく見えてしまふのである。
— 折口信夫 『日本文学における一つの象徴』 青空文庫
唯、おなじ源氏物語若菜の巻の住吉詣での条に出て来る神楽面の記事などは、其芸能が芸能だけに、単純に伎楽・舞楽の面とは思はれない。
— 折口信夫 『日本文学における一つの象徴』 青空文庫
而も伎楽・舞楽の面から転化したものとばかりは見られぬほど、此国土独自の姿を見せてゐるのである。
— 折口信夫 『日本文学における一つの象徴』 青空文庫