照り降り
てりふり
名詞
標準
文例 · 用例
二百二十日の荒れそこねたその年の天気は、いつまでたっても定まらないで、気違い日和ともいうべき照り降りの乱雑な空あいが続き通していた。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
照り降りなしに一生涯家族まで養おうというにはこれが一番|元資のかからない近道なんだ。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
腰弁は月給、学生は為替で、いずれもあまり照り降りはないと云える。
— 夢野久作 『街頭から見た新東京の裏面』 青空文庫
あるとすれば身から出た錆か、冬物の質受け、もしくは病気等いう内側から湧いた照り降りである。
— 夢野久作 『街頭から見た新東京の裏面』 青空文庫
さもなくともボーナスの減少と来るから、照り降りはなくとも心臓には応える。
— 夢野久作 『街頭から見た新東京の裏面』 青空文庫
まことに、法皇の御気色は、照り降り雨、われらが側近にあれば、また変る。
— 吉川英治 『親鸞』 青空文庫
照り降り雨一「いくら面の皮が厚い女とはいえ、まさか、おめえとは、思わなかった」 うす暗い安宿の四畳半に、半日も待っていたという客を見て、露八は、そう一言云ったきり、唖のように、むッつりしていた。
— 吉川英治 『松のや露八』 青空文庫
……江戸っ子が、そう肩身の狭くねえところへよ」「じゃあ、思いきって、遠くへ――」「よかろう」「長崎でも」 碧空だし、陽もあたっているのに、街道から淀の方には、照り降り雨が、虹のようにこぼれていた。
— 吉川英治 『松のや露八』 青空文庫