徃来
徃来
名詞
標準
文例 · 用例
首を回らせば徃時をかしや、世の春秋に交はりて花には喜び月には悲み、由無き七情の徃来に泣きみ笑ひみ過ごしゝが、思ひたちぬる墨染の衣を纏ひしより今は既、指をの霊地に運びて寺に霜は募りて樹※に紅は増す神無月の空のやゝ寒く、夕日力無く舂きて、晩れし百舌の声のみ残る、暮方のあはれさの身に浸むことかな。
— 幸田露伴 『二日物語』 青空文庫
未明起床、主人仲仕連中といつしよに本船へ出かける、北海道松を受取るのである、慣れない船上徃来には閉口した。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
而シテ其ノ地ハ則チ支那上国ノ人多ク徃来セザル所ロナリ。
— ※上漁史 『青塚ノ説』 青空文庫
門前何とはなく人の徃来繁し。
— 断膓亭日記巻之二大正七戊午年 『断腸亭日乗』 青空文庫
軍馬の徃来大久保の如くに烈しからずして、而も樹木多き山の手に居を卜したきものなり。
— 断腸亭日記巻之三大正八年歳次己未 『断腸亭日乗』 青空文庫
菖蒲河岸より大川の面を望むに、暖なる冬日照りわたり、徃来の荷舩には舵のあたりに松飾り立てしものもあり。
— 断腸亭日記巻之三大正八年歳次己未 『断腸亭日乗』 青空文庫