湯釜
ゆがま
名詞
標準
文例 · 用例
此小使室の土間に、煉瓦で築き上げた大きな竈があつて、其上に頗る大きな湯釜が、昔の儘に湯を沸らして居る。
— 石川啄木 『葬列』 青空文庫
此小使室の土間に、煉瓦で築き上げた大きな竈があつて、其上に頗る大きな湯釜が、昔の儘に湯を沸らし居る。
— 石川啄木 『葬列』 青空文庫
……薬草道人やモカの類、城へ入り込んで無礼講、表も奥も乱痴気騒ぎ、ドサクサ紛れに大奥へ入り、ご常用の湯釜へ投げ込んだら……中納言様にはご熟睡、そこを忍んでお手もと金!
— 国枝史郎 『任侠二刀流』 青空文庫
三代実録の、宣化天皇の曾孫たぢひこの王のことを記したものにも、多遅の花が散つて、湯釜の中にまひ込んだとある。
— 折口信夫 『貴種誕生と産湯の信仰と』 青空文庫
千兩箱は多分、湯釜の中で茹つて居る筈だ、急いで行きな」 と平次。
— 人肌地藏 『錢形平次捕物控』 青空文庫
千両箱は多分、湯釜の中で茹っているはずだ、急いで行きな」 と平次。
— 人肌地蔵 『銭形平次捕物控』 青空文庫
そこは湯茶の支度をする部屋である、彼は炉に掛けてある湯釜の蓋をとり、冷たいやつを柄杓で汲んで、呑もうと口へ持っていったとたん「ばか者、なにをする」とうしろから呶鳴りつけられた。
— 山本周五郎 『恋の伝七郎』 青空文庫
切炉で手がすべって湯釜を転覆させたとき、ちょうどあやが火箸を取ろうとしていて、その右手の先へ熱湯がもろにかぶってしまったのだ。
— 山本周五郎 『十八条乙』 青空文庫